2018年6月17日

父 人生を楽しんでいる人 5 NGO裏話

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前回の最後から続き、今回はNGO活動の裏話を紹介します。
ちょっと長いですが、大人の思考を身につけるには有意義だと思います。



☆日本人奥様たちのお買い物

「贅沢な生活ができるから発展途上国で駐在員になり、NGO活動をする」・・・
そんな日本人がいたらおもしろいですよね。


・・・実際にいるんです。
ただ、25年ほど前の話なので、今現在はどうなのかわかりません。
これは25年前にマスターが聞いた話として読んでください。


ネパールでNGO活動をしている日本人は、質素なイメージが強いかもしれませんが、
現実には、現地で一軒家を借り、
家政婦と運転手つきの生活をしているスタッフなんかもいるようです。
主に、日本の大きなNGO団体に所属している現地の駐在スタッフです。
発展途上国は基本的に物価が安いですから、
たとえば毎月30万円あれば、かなり贅沢ができます。


そして、その現地日本人スタッフの奥様たちは、食材を買うためにどこへ行くと思います?
ネパールで聞いた話では、奥様たちが集まり、飛行機でタイまで買い物に行くんですって。
ネパールで売っているものでは満足できないからなんだそうです。
おいしいものを求めて外国に買い物に行っちゃうなんてどうなんでしょうかね。
「愛と平和の実現を」と言いながら、食べ物を買うために数万円の交通費をかけているんです。
もし「助けが欲しい」と言いながら倒れている人を見つけたら、
おいしいものを探しに買い物に行くよりも、手を差し伸べるのが自然です。
マスターは、贅沢な生活を望む人たちがNGO活動をしている限り、
本質的な意味の愛や平和は実現できないような気がします。
また、夫婦関係もひずんでいると思います。
もし夫婦関係がうまくいっていたらストレスがないわけですから、
飛行機で買い物に行くお金や時間を他人のために使いたくなるはずです。


現地駐在員の一部の話ではありますが、駐在員として派遣される人の中には、
上記のような「贅沢な生活」を楽しみとしている人もいるんです。
大きな組織に寄付されたお金は、場合によっては駐在員の奥様方によって、
買い物に行くための飛行機代や、高級食材のために使われている可能性もあるわけです。


「貧しい国」を助ける仕事をする理由が「贅沢できるから」だとしたら、
なんとも皮肉なことですが、それでも「大きなNGO団体」がなければ、
国道や大きな橋の建設などのプロジェクトはできませんから、
大きな団体の力は必要になります。
しかし、おいしいものがないという理由で、
飛行機で買い物に行く必要があるのかどうかは疑問です。



☆平均年収が上がるということは・・・寄付したお金はどこに行く?

争い事の原因にはいろいろありますが、
争い事の原因を探ると、多くの場合「貧富の差」に行き着きますから、
貧富の差をなくすことが平和につながります。
もちろんボランティア活動の主な目的のひとつも、その「貧富の差」をなくすことです。


ネパールにはたくさんの現地NGO団体があり、
先進国に対して援助申請をし、支援をもらっています。
たとえば、ネパールにあるNGO団体が、日本のNGO団体に「支援をお願いします」と頼みます。
そうすると、日本のNGO団体が日本でお金を集め、そのお金が現地で使われるわけです。
そうやって様々な分野の開発が進み、やがてネパール人の平均年収は上がります。
日本のお金がネパールに投入され、日本とネパールの貧富の差は縮まっていきます、
めでたしめでたし。


のはずが・・・


ここで大変なことが起こるんです。


実はこれ、争いの原因がさらに大きくなってしまう可能性が高いんです。
日本からお金が投入されても、山奥の村人たちには、ほとんどなんの変化もないからです。
単純に書くと、仮に10万円をネパールのNGO団体に寄付したとしても、
寄付金の多くを、そのNGO団体が使ってしまうからなんです。
NGO団体と組んで政府の役人なども賄賂を受けていて、
これが反政府活動の主な原因になります。
社会の仕組みとしては、普通と言えば普通ですが、
寄付されたお金で、ネパール国内の貧富の差が広がるわけです。


山奥の村人たちにはほとんどなんの変化もない・・・
これは
「山奥の村人たちは、ネパール語しか話せない・
文字が書けない・電話も、電話するお金もない」
などがポイントになります。


父がネパール語を覚えたころのことでした。
村人が、現地NGO団体の横暴について、
怒りと悲しみが入り混じった口調で父に話した言葉です。


「このまえ服を着せられて、写真を撮られたんだ。
その服をくれるのかと思ったら、ほとんどの服を脱がされて、
持って帰っちまったんだ、やつらは自分のものにしやがった」


そのNGO団体は、こうやって撮った写真を、
「支援ありがとうございました、無事に村人に渡しました」という手紙とともに日本に送ります。
そしてほとんどの服を自分と親戚に配るか、売ったりします。
山奥の村人は、英語を書くことも、読むこともできないため、
ひどいことをされても誰にも知らせることができません。
日本に支援申請ができるのは、
ある程度勉強して英語を話せるネパール人や、パソコンを使えるネパール人ですから、
彼ら自身はすでに支援の必要はないと言ってもいい人たちなんですが、
そんな人が悪知恵を働かせると、上記のような事件が起こります。
実際にこんな不正がしたくてNGO団体を作るネパール人も多く、
「ネパールでNGO団体を作ると、その責任者の家が一軒建つ」
という言葉を聞いたのは、マスターがネパールに滞在していたときのことでした。
仮に日本からの10万円のうち、NGO団体に9万円、村人に1万円という配分なら、
ネパール国内では貧富の差が広がったことになります。
ですから、ネパールやその地域の平均年収が上がるということは、
貧富の差が広がるということになり、「争いの原因が大きくなる」と言えます。


実際、ネパールではその状況が表面化したことがあります。
政府高官や上流階級が海外からの富で私腹を肥やし、
その不正に反対する武装勢力が立ち上がり、内戦状態になったことがあるんです。


立ち上がったのは「マオイスト」という武装勢力で、
貧困層の解放を掲げて政府に戦いを挑みました。
簡単に書いてはいけないのかもしれませんが、あえて簡単に書くと
「弱い者をいじめるな!!不正に稼ぐヤツらは許さん!」みたいな運動です。
ネパール内戦(ウィキペディアより) 
この内戦、ちょうど父がネパールで活動している時期に始まったんです。
マスターも心配しましたが、父からの手紙にはこうありました。


「他のNGO団体はみんなネパールにいられなくなってしまいましたが、ぼくは大丈夫です。
マオイストがぼくのことを調べるほど、不正をしていないことがわかったみたいです。
なによりも、村人たちがぼくを必要としてくれています。
村人たちの代表も、ぼくの潔白をマオイストに話してくれました。
ぼくを追い出したら、マオイストは村人たちを敵に回してしまいます。
ですからマオイストがぼくに手を出すことはありません」


とありました。
マオイストと父の活動は、「本当に貧しい人たちを救う」
という目的で一致していましたから、父はネパールにいられたんです。
ではなぜ父だけがネパールにいることができ、
他のNGO団体がネパールにいられなくなったのか・・・
NGO団体は、どこも「貧しい人を救う運動」をしているはずですよね。
マオイストと同じ考えですから、ネパールで活動続けられるはずですが・・・
その理由は、NGO団体は大なり小なり「不正」をしているからです。
不正がバレてしまい、マオイストからの圧力で国外に「追放」されるんです
(外国人を「処刑」してしまうと国際問題になり立場が不利になるため)。
また、NGO団体に所属していると、たとえ不正をしていなくても、
職員の危険を恐れた本国から、安全のために「帰国命令」が出るからです。


珍しいことに、父は本当に不正をせずお金を使っています。
お金だけでなく、これまでにネパールに来た外国人がやってきた
「少女売春・布教活動・政治活動・鉱物や仏具などの密売・
希少な植物や動物の乱獲・手工芸品の搾取(安く作らせて高く売る)」
などにも縁がありません。
マオイストが調べれば調べるほど「潔白」が証明され、
国外退去せず支援活動を続けることができました。
父が不正をしていないことに疑問を持ったマオイストの幹部から、
最後にこんな質問があったそうです。

「おまえはなんの得もしていないのに、なぜネパールにいるんだ?」

そのときの父の答えについては後日書きますね。


攻撃を受けた建物
これは父から送られてきた写真です
内戦中は、海外からの支援金で不正をして稼いだ人や、
その不正を助長する政府機関の建物がマオイストのターゲットになりました


攻撃を受けた車
不正をして稼いだ人が所有する車なども破壊されました


着弾したロケット砲の破片?



ネパールNGO団体の代表者として1億円を受け取ったと想像してみてください。
ちょっとした書類の書き換えで100万円が手に入り、
それがバレないなら・・・どうしますか?
海外からの寄付が多額になると、目先のお金に目がくらむ人が必ず出てきます。
そこに「不正配分」が起こり、国内の貧富の差が大きくなると、
武装団体が立ち上がり、不正をして儲けた人たちが攻撃されます(上の写真)。
これが内戦が起こる原因のひとつです。
内戦の現場は「悲惨」そのものです。
失われる命や財産を考えたら、NGO団体や政府機関も
初めから不正などしなければいいんですが、これが人間の不完全性なんです。
人が目先の快楽を追ってしまうのは、「愛がないこと(寂しさ・ストレス)」が原因です。
みなさんも、後でどうなるかわかっていて、「食べ過ぎた・飲み過ぎた」
と「目先の快楽」を追いかけてしまうことがあると思いますが、
人が目先の利益に飛びついた結果、最後は上の写真のような惨状になります。
もし目先の快楽に飛びつく人の人間関係や心の環境を写真に撮ることができるなら、
程度の差こそあれ、上の写真と似たような映像になるはずです。


話が長くなったので最後にまとめましょう。
その国の平均収入が上がるということは、一歩間違えると、
「その国民の貧富の差が激しくなり、内戦が起こる」ということです。
深く考えず多額の寄付をすると、上の写真のような惨状の発端になるかもしれません。



☆多重請求 3倍儲けられる

これも内戦の原因になる「不正」の裏話です。


先進国の多くの人は、「貧しい人を救うため」にNGO団体を作りますが、
小規模なNGO団体は、国同士の横のつながりがありません。
たとえば、アメリカやイギリスにあるNGO団体と連絡をとり、
支援内容や支援先のリストを共有している日本のNGO団体は、ほとんどありません。
ですから、もしあなたが貧しいネパール人だとして、
ネパールで現地NGO団体を作り、アメリカ、イギリス、日本などの各国に
「助けてください」と支援を要請をすれば、その国の数だけ支援を受けられるんです。
10万円の申請を3カ国に出し、その申請が全部通れば30万円になります。
各国のNGO団体に礼状と領収書を送り、20万円は現金収入になるわけです。


こんな事態を防ぐには、現地まで行って「視察」をすればいいんですが、
先進国の人たちは、視察のためにコストをかけることはありません。
仮にあなたがネパールに10万円の寄付をしたとします。
その使途を確認するために現地入りするには、最低3日間の休みと
交通費として15万円が必要になります。
現地での交流などを考えれば、短くても1週間の休みが必要です。
10万円の寄付の使い道を確認するために、「15万円と1週間」です。
3人なら、45万円と3週間分のコストが必要です。
ですから、現地から届く写真や領収書や感謝状などを信じて
支援を完了とする団体がほとんどです。
そして、現地NGO団体も、多くの場合、視察に来ないことを知っています。
もちろん領収書は不正に作られているものも多くあります。


日本人が、ネパールでの現金の出し入れや多重請求の証拠をつかむことは至難の業です。
悪知恵がある現地NGO団体は、このようにして何倍も儲けることができます。



☆貧困者はなくならない

上からの続きです。


仮に、あなたが動物の飼い主だとします。
たとえば、ケガをした自分の犬の写真を撮り、
治療費を申請すると、かかる費用を援助してくれる団体が多数あるとします。
そして、その団体は、あなたから届く、
「治療が済みました、支援ありがとうございます」という手紙だけを信じ、
実際に犬を見に来ないとします。
ということは、ケガをした犬がいて、獣医と共謀すれば、
あなたはしばらくのあいだ、現金収入に困らないということです。


ネパールの現地NGO団体にとって「貧困者がいなくなる」ということは、
あなたにとって「ケガをした犬がいなくなる」というのと同じことです。
現金収入を得るためには貧困者に居続けてもらう必要がありますから、
悪知恵のある人にとっては「貧困者がいなくなってはいけない」ということです。


「悪知恵がある人が儲けるためには、貧しい人がいなければならない。
貧しい人は利用され、ずっと貧しいまま変わらない」


これが本質です。
貧しい人は変わらず、裕福な人がさらに裕福になり、貧富の差が広がるわけです。
父はそんな現状に違和感を覚え、自ら言葉を覚え、
車で入れない村々をめぐるため、歩いて山奥に入りました。
悪知恵のある人からけむたがられる可能性もあり、マスターはその点心配もしていますが、
いまのところ、父は元気に活動をしています。


自ら現場に行き、ネパール語を話すのが確実な支援かもしれません
(おでこが赤いのは歓迎の「ティカ」の色)


少女からノートをもらっているわけではありません



お礼のはがきや手紙を書き、上のような写真を添えることで、
日本側の支援団体が父を信用してくれるようになりました。
そして「彼にならお金を託すことができる」と、
毎年支援金を託してくれるようになり、徐々に支援の輪がひろがりました。



では今回はこのへんで。
NGO裏話、以下のような話でもう少し続けます。

☆村に電気が入ると
☆寄付した人の自己満足?
☆王様を超えたとき
☆内乱が続くネパールで
☆警察官の死体が
☆肋骨を6本折っても
☆愛し続けるとどうなるか 父の場合

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今日は「梅雨の晴れ間」と呼ぶにふさわしい日でしたね。
ライダーのお客様もたくさん来てくれ、忙しく過ごしました。


スタッフが常連さんからいただいたクッキーです
「エヴァンゲリオン」でしたっけ?
クッキーはチョコレート味でおいしかったです
















夕方
「さやいんげん・大根」をいただきに海辺まで行きました

















朝晩の気温の差が大きかったですね。
昨日の夜は寒かったのに、今日の午後からは夏のような日差しでした。
夜はスタッフ2人と音楽を聞きながらドライブをしたんですが、
思ったより長く、約1時間半ほど走ってしまいました。
そのためブログの更新が遅れてしまいましたが、
マスターは元気に生きてます。