2017年7月9日

食べ物は教えてくれる 1

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今回の投稿は、読むだけでも刺激になると思いますが、
できたらみなさんにやってもらいたいことがあります。
やってもらいたいのは、「野菜の薄切りを作る」という、
とても簡単な作業です。


他人は、あなたが周囲に対してなにをしているか、
正直に教えてくれるとは限りません。
しかし食材は、あなたがやったことを正直に教えてくれます。
自分が食材に対してなにをしているのかわかれば、
自分が人に対してなにをしているか考えるヒントになるかもしれません。


自分が人に対してなにをしているかわかれば・・・
ここから一歩踏み込んで、
「自分が人に対してなにをしているかわかっていないこと」がわかれば、
人に対してより謙虚になることができ、
長く愛されるためにするべきことも見えてきます。


以下、食材を切ることを例に挙げ、長く愛されるためのヒントです。


・・・


今、料理をする環境にない人は、このまま読み進めてください。
大根かにんじんが手元にある人は、この先を読む前に、
大根かにんじんの薄切りを作ってみてください。
食材をまな板に置いたときの高さは、3センチから4センチぐらいがいいです。
大根はかまぼこ状に切り、半月型の薄切りにしましょう。
にんじんなら、そのまままな板に置いて薄い輪切りにしていきます。
厚さは1~2ミリ程度がいいと思います。
切ったものは、まな板の片隅に置いてください。


・・・


・・・


・・・できましたか?


では、みなさんがどんな切り方で薄切りを作ったか、
自分の動きを思い出してみましょう。


思い出せるでしょうか?


「私はこう切りました」
とはっきりと言える人は、なかなかの腕です。


下の写真は、大根の半月切りの薄切りが3枚です。
それぞれ違う切り方をしていますが、写真を見た時点で、
どう切ったかわかる人は、やはりなかなかの腕と言えます。


では写真下の説明1~3を読みながら、
写真のように薄切りを作ってみましょう。
「包丁の使い方教室 初級編」、いきます!


















写真左から、説明1・2・3の切り方で切ったものです



説明1:写真左 包丁の刃渡りを全く使わない切り方

断面がザラザラになる切り方です。
大根に包丁の刃を乗せ、そのまま真下に切ってください。
包丁を前後に動かさず、ただ垂直に切るという切り方です。
名づけて「垂直切り」または「ぶった切り」です。
細胞をつぶしてしまうため、玉ねぎを切ると涙が出やすい切り方です。



説明2:写真中央 包丁の刃渡りを長く使う切り方

断面が滑らかになる切り方です。
包丁の先端を大根に乗せて切り始めます。
前に押しながら切り、包丁の一番手前側(アゴ)で終わるように切ります。
名づけて「スライド切り」です。
断面につやが出るので食材がキラキラ輝きおいしそうに見えます。



説明3:写真右 刃を往復させる切り方

滑らかな断面に、包丁を往復したのと同じ数の線が入ります。
ギコギコと包丁を何度か前後に往復させて切ってください。
名づけて「往復切り」です。
断面にツヤは出ますが線が入るため、「刺身」ではタブーとされています。



以上、3つの切り方の説明でした。
まな板の上に置いて比べれば、違いがわかると思います。
これでみなさんも、野菜の断面を見れば、
包丁がどう動いたかある程度わかるようになりましたね。


このように、慣れてくると野菜の断面を見ただけで、
その野菜の過去になにがあったかわかるようになるんです。
また逆に、どんな断面を作りたいかという将来のビジョンがあれば、
そうなるように切ることができます。


では以下、それを人生に例えると・・・という話です。


◎あなたを見れば過去がわかる

3つの切り方の違いを体験したあなたは、
野菜の断面を見ただけで、
包丁がどんな動きをしたか、わかるようになりました。
過去にその大根になにが起こったか、
見ればわかるようになったということです。


「大根を見れば過去がわかる」


ということです。


切った断面がザラザラなら、その大根は、
過去に「垂直切り」で切られたということがわかります。
断面が滑らかなら、
「スライド切り」で切られたということもわかります。
そして今後もし滑らかな断面で切りたいなら、
スライド切りにすればいいということもわかるようになりました。


ツヤのある美しい断面を作りたいと思ったら、
自分の力でそれを実践できるようになったわけです。


では最初を思い出してください。


初めにみなさんが自分でやった「薄切り」は、どんな切り方でしたか?
この質問に答えられないとしたら、
理由は、無意識に切っているからです。


マスターはこれまでに、多くの女性の包丁の使い方を見てきましたが、
切り終わったあと、「どうやって切ったか思い出せる?」と尋ねると、
たいていの女性が答えられません。
無意識に切っているため、説明できないんです。


これが、「自分がなにをしているかわからない」ということです。
そして、そんな人に共通して言えることが、
「包丁の使い方が上手じゃない」、ということです。


包丁の使い方が上手じゃない人は、
ただ切っているだけで、
「自分がなにをしたから、なにが起こっているのか」
ということがわからないんです。
どう切りたいのかという具体的なビジョンもなく、
そのためになにをしたらいいのかと考えることもありません。


生き方が上手じゃない人にも、同じことが言えます。
ただ生きているだけで、
「自分がなにをしたから、なにが起こっているのか」
ということがわからないんです。
どう生きたいのかという具体的なビジョンもなく、
そのためになにをしたらいいのかと考えることもありません。


生き方が上手じゃない人は、
過去に自分がなにをしてきたか自覚がないか、
自覚はあっても改善の努力をしないまま生きていると言えます。


これでは人生が好転するはずもありません。
薄切りで滑らかな断面を作りたければ、スライド切りをすればいいように、
愛が欲しいなら、やるべきことは自ずと決まっているんです。


これは「占い」に通じる話ですが、
包丁に熟達した人は、大根の断面を見れば、
過去、その大根になにが起こったかわかります。
ザラザラに荒れた断面だったら、
美しく切るにはなにをすればいいかもわかります。
包丁に熟達した人は、切った本人よりも、本人がなにをしたか、
そしてなにをすればいいか、わかるわけです。


同じように、人生経験がある人は、あなたを見れば、
過去、あなたになにが起こったかわかります。
荒れた人生を送っているなら、
美しく生きるにはなにをすればいいかもわかります。
人生経験がある人は、生きている本人よりも、本人がなにをしたか、
そしてなにをすればいいか、わかるわけです。

そう、

「あなたを見れば過去がわかる」

ということです。


仕事や恋愛、人間関係でストレスを抱えている人は、
周囲の「経験者」たちに助言をもらうことが、
いかに大切なことかわかると思います。
ただし相談相手は間違えないでください。
「大人の思考の実践者」に相談しないと、トラブルの元になります。
「大人の思考」については過去の記事を参考にしてください。



◎食べ物は教えてくれる

繰り返しますが、大根の断面の状態を観察すれば、
その大根の過去になにがあったか教えてくれます。
食べ物たちは、あなたがしたことを正直に教えてくれるわけですから、
その情報を参考に練習すれば、食べ物を切るのがうまくなります。


美しく切りたいなら、そうなるように切りなさい。
美しくないのは、そうなるように切っていないからです。


食べ物はこんなふうに教えてくれ、
実際にザラザラの断面などの「状況証拠」を見せてくれるわけです。


では人はどうでしょうか?

美しく生きたいなら、そうなるように生きなさい。
美しくないのは、そうなるように生きていないからです。


こんなふうに言ってくれ、しかも、
どうすればいいか教えてくれる人は、なかなかいませんよね。
たとえ言ってもらえても、言われた側は、
「ウザイ・あんたもできてないでしょ」
などと反論する人も多いかもしれません。


食べ物は、その場で全てを正直に教えてくれますが、
人はその場でなにも教えてくれません。
いったいどう対処すればいいんでしょうか・・・
次回、そのあたりについて書いてみます。



参考:

今回紹介した3つの切り方について、もう少し説明します。


1:垂直切り
垂直切りは、包丁を真上から真下へ垂直に下ろすだけで、
食材にクサビを打ち込むような切り方です。
切っているとき、野菜の繊維が引き裂かれ、
食材にムリがかかっていることがわかります。
切るというより裂く感じです。
表面がザラザラになるため、切った断面に「ツヤ」はありません。
力が必要になり、スピードが増すとケガの原因にもなります。
良い切り方とはいえませんが、慣れれば速く切れます。



2:スライド切り
スライド切りは、その包丁の刃渡りを使う切り方です。
刃渡りを長く使うほど、食材の断面にツヤが出ます。
切っているときの音が静かで、力も使わず滑らかに切れます。
この切り方が、安全かつ野菜が喜ぶ優れた切り方です。
切っている本人も野菜との会話が楽しめます。
人生で言えば、愛をそそいでいる状態です。



3:往復切り
前後にギコギコと動かす切り方です。
刃を往復させますから、理屈上刃渡りを長く使え、
断面は滑らかになります。
しかしデメリットとして、往復した回数分の線が入ります。
細かく往復させて刃渡りを稼ぐよりも、
刃渡りを全部使って片道で切った方が、
断面に線が入らず、きれいに仕上がります。
刺身包丁(柳刃包丁)が長いのは、
往復させず、かつ刃渡りを長く使いたいためです。
切れない包丁を使っていると、
この切り方になりがちですから気をつけましょう。

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